【出 演】
指揮/大野和士
ヴァイオリン/ヴェロニカ・エーベルレ
コンサートマスター/四方恭子
【曲 目】
ベルク:ヴァイオリン協奏曲《ある天使の思い出に》
※アンコール
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 WAB109(ノヴァーク版)
【聴きどころ】
音楽監督・大野和士が、ベルクとブルックナーの最晩年の傑作と向き合います。
アルマ・マーラーと建築家グロピウスとの娘の夭折を悼んで作曲しながら、自らへのレクイエムともなってしまったベルクの作品は、20世紀最高のヴァイオリン協奏曲の一つ。十二音技法にバッハのコラールや民謡旋律などを組み込み、厳格さと抒情性を両立させた稀有な音楽です。ドイツの若き名手エーベルレがこの曲の魅力を存分に引き出すことでしょう。
ブルックナーの第9交響曲は、たとえ作曲家の本意でなかったとしても、第3楽章アダージョがもたらす充足感と完結感は比類なく、ブルックナーの到達点として圧倒的な存在感で愛される名曲です。
このプログラムを、1986年から1995年まで音楽監督・首席指揮者を務め、都響の演奏水準を飛躍的に向上させた若杉弘の没後10年に捧げます。
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都響の会員になったばかりの時期に若杉さんが亡くなったのですが、あれからもう10年なんですねェ…。あまり成長を感じないが…。
今回の定演ですが、ソリストのヴェロニカ・エーベルレさんは好きなタイプのヴァイオリンでした。厚み(幅)のある音色で、オーラを感じました。
多分難しい楽曲の1つだと思いますが、エーベルレさんの音色にぴったりの楽曲だと思います。
現代音楽は理解困難ですが、力のある奏者でないと弾きこなせないよでしょう。
作者のベルクは亡くなった18才の娘のことを知っていて「天使の様に美しい」と語っていたそうです。美しいソリストと重なったり…。
アンコールも現代音楽でした(笑)。
今回のコンサートマスターは四方さんなのですが、
セコンドもソロコンサートマスターである矢部達哉さんということで、とてつもない楽曲なのだろうという予感でした。まァ、60分という長丁場、一筋縄では…。
しかし、想像を絶する素晴らしい演奏でした。
いつもの"天井桟敷席"ですが、意外にも音が響いて隠れた特等席なのです。
そんな特等席ですが、今までにない程の音量でした。オーバーに思われるかもしれませんが、耳に楽曲を突っ込まれる感じです。ホント。
いつものブログの為に気になった点をメモしているのですが、今回は1行
「寂しげな印象で始まった」
だけ書いてありました。
これは大野さんのタクトの冴えとオケが乗っていたからでしょう。
でも、60分は長かった!素晴らしかったけど…。