十二月大歌舞伎

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今月は通常の定演に第九が加わるので忙しい!

加えて久し振りに歌舞伎の観劇に行きました。

17日に第二部でしたし、25日に第一部へ行きます。

 

 

夜の部
一、神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)
極悪非道の父に立ち向かう娘の恋心
 六郷川の矢口の渡し。渡し守の頓兵衛は、足利と新田の争いで褒美の金欲しさに足利方の手先となり、新田義興の溺死に加担した強欲者。ここへ、義興の弟義峯が恋人である傾城うてなと訪れ、偶然にも頓兵衛の家に一夜の宿を乞います。頓兵衛の娘お舟は、気品あふれる義峯にひと目惚れ。義峯に恋心を明かします。一方、義峯の素性を知った頓兵衛は、再び金目当てに、その命を狙いますが…。
 江戸時代に多分野で活躍した才人、平賀源内が「福内鬼外」のペンネームで描いた浄瑠璃の傑作。父頓兵衛の強欲非道ぶりが、娘お舟の悲恋を一層際立たせます。

 

二、本朝白雪姫譚話(ほんちょうしらゆきひめものがたり)
歌舞伎の美をまとう「白雪姫」
 その昔、とある名家の奥方である野分の前が、大層可愛らしい赤子を授かりました。白雪姫の誕生を皆喜びますが、母親である野分の前だけはつれない様子。白雪姫が美しくなるにつれ、自分の美しさが衰えていくのではないか疑心暗鬼になっていたのです。なだめる局たちの言葉にも耳を貸そうとしない野分の前が、何気なく奥殿の鏡に問いかけると、鏡の精が現れてその美しさを讃えます。これに気を良くした野分の前は、いつまでも鏡に自分の美しさを尋ねるのでした。
 十数年後、白雪姫はさらに美しい姫に成長しています。野分の前の不安は大きくなり、ついに鏡の精も白雪姫の方が美しくなったことを認めます。野分の前は白雪姫をやり込めようと琴の弾きくらべを行いますが…。

 

 

一、神霊矢口渡(しんれいやぐちのわたし)

観てい悪人の方が主役なのでは?と思える演目でした。

歌舞伎では結構多いパターンの様です。流石おおらかな歌舞伎ワールド!

 

久々の歌舞伎でしたが、

児太郎さんにビックリ。

児太郎さんのイメージは浮世絵の美人画の世界で“小粋ないい女”した。

ですが今回の舞台では、しっとりした女性像が加わり(私のイメージバリエーションに)、とても楽しみになりました!

 

こちらの演目は隠れネタが沢山。

個性的は頓兵衛のヘアスタイルですが、悪人を表しているそうです。

又、児太郎さん演じるうてなですが、衣装の衿元が乱れていて不自然でした。皆さん気付かなかったのかな?

なんて思っていたら、衿元が返って赤い衿が出ているのは遊女を表しているそうです。イヤホンガイドより

 

見応えが有ったのは後半の頓兵衛の娘▪お舟が一目惚れした義峯を助ける為に父親や手下に抵抗する場面は圧巻でした。

写真で見たことがありますね。

…でも義峯がお舟に「敵同士なのでこの世では一緒になれないけど、生まれ変わったら一緒になろう」と言ったのですが、

何だか純粋な乙女心を利用した様な気がしないでも無いのですが…。

 

 

二、本朝白雪姫譚話(ほんちょうしらゆきひめものがたり)

今月は、どちらの歌舞伎公演も夢のある演目公演でしたが、

『白雪姫』は特別な思いがありました。

昔、テレビで『白雪姫』の舞台を観たことがあるのです! 夢なのかなァ、と思っていたら、

イヤホンガイドで玉三郎さんが仰っていたのですが、30年位前に俳優祭で演じたそうです。それを観たみたい。

その時の小人は小柄な役者さんでしたが、今回は子役さんが演じていて可愛いかった!

 

白雪姫は玉三郎さんでした。最近は年増の役が多かった様ですが、瑞々しい美少女役も全く問題なしでした。当然かァ。

そしてここでも児太郎丈。

白雪姫のお母さん役を演じられていましたが、若く美しい頃と歳を重ねてからの演じ分けが見事でした。

リンゴ売りのおばあさんが有名ですが、リンゴ以外に美しい櫛を売りに来て白雪姫の命を狙った場面も劇中では出てきました。

又、原作では継母ではなく実の母親だったり、

お后様から家来に白雪姫を殺した証拠として、白雪姫の内蔵を持ち帰れと命令されていたそうです。ディズニー映画ではキツい所はカットされている様です。

さて劇中ではイノシシ鳴き声がして、家来を演じる獅童さんがその声に向かって走って行く、というものでした。そこでイノシシの内蔵を白雪姫の内蔵と偽って、お后に差し出した…という流れを暗示して幕となりました。

お后はこの内蔵、食したのでした!ディズニー映画では描けない世界です(笑)。

 

櫛売りのおばさんはスッポンから登場したのですが、リンゴ売りのおばあさんは花道から…。

でも、七三辺りまで真っ暗で、杖をつく音だけが響いていました。本当におどろおどろしいのです…。

宝石で出来た柩に寝かせていたら、王子様一行が輝きに気が付いて白雪姫のもとへ。

そしてハッピーエンド!

 

小人さん達のお陰で、20時代に帰れました(笑)。

実は25日に第一部を観劇することになっています。

白雪姫で白雪姫、お后、鏡の精(玉三郎、児太郎、梅枝)が琴を弾く場面。

阿古屋を演じている三人ですが、阿古屋で琴を弾く場面が有って、白雪姫の琴を弾く場面と重ねているそうです。深いですね。

阿古屋の琴を弾く場面も楽しみです!